後見人は、被後見人が亡くなられた場合、代表相続人に財産の引き継ぎをして業務を終了することになりますが、

仮に代表相続人が決定しなくて、財産を引き継ぐことができない場合でも、共同相続人の一人に不動産や預貯金通帳等の不可分物を引き継げば、後見業務を終了することができることになっています。

これは民法において、相続財産は、被後見人の死亡後は共同相続人の共有となり、相続財産に関する保存行為については、各共有者が行うことができるからです。

しかし、共同相続人すべてが不可分物の引き継ぎすら拒絶された場合、後見人は後見業務をいつまで経っても終了することができなくなります。


ではその場合どうすれば良いかを調べてみましたが、

相続人の一人を説得して、

「遺産分割の審判の申立」及びその審判前の保全処分として「相続財産の管理者の選任の申立」を行っていただき(後見人は申立権がないので…)、申立して決定した管理者に引き継ぎをするということになるとのことです。

でもこれって、元々引き継ぎすべてを拒絶している相続人を説得すること自体が難しいですよね…


僕のような専門職後見の場合は、推定相続人と何らかの事情で疎遠である場合が多いので、後見人としては、疎遠であっても推定相続人には、必要最小限ご協力していただく必要があるのですが、

でも、疎遠である推定相続人の心情を考慮すると、いくら親族であっても強制的に関わっていただくわけにもいきませんし、ホント難しい問題です。

推定相続人が困るのではなく、僕が立場上困る…という状況なわけです。たぶん、裁判所も「相続人を一人決定して引き継ぎしてください」との回答となるのでしょうかね…


後見人としては、本人と家族との関係や過去のわだかまりが少しでも解消できて、本人と家族との間のハブ的機能として関わっていければと思ったりしますが、

その方々の過去の経緯は色々あって、修復不可能なこともあるわけで、


そう考えると、それぞれの立場や心情を理解しながら妥協策を探るというのは、またまた難しいことですね…



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